高血圧
血圧の高い状態が続き,これに特有な心臓血管系の障害を伴う病気を,高血圧または高血圧症といいます。最高血圧140mmHg以上、あるいは最低血圧90mmHg以上である状態を高血圧と定義されています。日本人には高血圧の人が大変多く、治療を受けている人だけで780万人います。高血圧を治療しないで放置すると、動脈硬化が進み,やがて心臓病や脳卒中等を引き起こし、最悪の場合は命を落とす事になります。したがってサイレントキラー(沈黙の殺人者)と呼ばれています。 |
高血圧の症状
高血圧自体が原因で、何らかの症状を引き起こすことはないと考えられています。しかし、中には、軽い頭痛や頭重感や体のだるさなどを訴えることがあります。これらの症状と血圧の因果関係は明らかになっていません。高血圧症としてほとんど自覚症状はありませんが、肩こり、頭痛、めまいを起こすことがあります。
症状がなくても将来、心臓病、脳卒中、腎臓病など日常生活、寿命にかかわる疾患の原因となり得ます。
高血圧の原因
遺伝的な体質と生活習慣(肥満、塩分の過剰摂取、ストレス、喫煙)などが重なり合い、血圧の調節メカニズムが乱れて血圧が高くなります。初期には必ずしも自覚症状は現れませんが、20~30代から少しずつ血圧が高くなっていきます。
一方、二次性高血圧症は原因がはっきりしている高血圧のことです。高血圧症全体の10%以下にすぎませんが、若い人で血圧がかなり高い(上の血圧が170~180mmHg)場合は、二次性高血圧症が強く疑われます。
高血圧の予防法
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家庭血圧
血圧には病院やクリニックで測る「診療室血圧」と「家庭血圧」があります。病院などでは緊張から数値が高めに10~30mmHgもの差があることがあります。家庭血圧はリラックスした状態で測定でき安定しているので、自分の血圧水準や、その変化を認識することができます。
収縮期血圧 | 拡張期血圧 | |
診察室血圧 | 140 | 90 |
家庭血圧 | 135 | 85 |
家庭血圧の測り方
基本は毎日同じ時間に同じ条件で測定することです。毎朝起床後、朝食前に測るのが最適とされています。 日本高血圧学会は、より正確な測定が必要な人には上腕タイプを推奨しており、健康づくりのために家庭血圧を測定する習慣を勧めています。実際に毎日血圧を測ると、塩辛いものをたくさん食べたり、運動不足が続いたりした時に、血圧が上がるのが分かるようになります。 |
また最近発表された睡眠時間と病気に関する複数の調査によると、睡眠時間が短いほど糖尿病、心臓血管障害などによる死亡率が高くなることがわかってきています。
最高血圧135Hg以上、最低血圧85Hg以上が続いたら医療機関などで診療を受けるのがよいでしょう。
飲酒過多や慢性的疲労での高血圧は、休肝日を設けたりしっかりとした睡眠をを心がけたいです。
女性の更年期以降の上昇や、ダイエットのしすぎによる栄養不足からの低血圧など、健康リスクのサインとなりますので注意が必要です。
現在、国内での高血圧患者は4,000万人とも言われています。健康な時からの血圧測定の習慣は、自分の体の状態を知る良い機会になります。血圧が変化したときの不調を記録することで、さまざまな病気を予防できる可能性が高まります。